骨盤底筋のトレーニングは、産後による機能不全の改善・予防ができるため、女性にとってたくさんのメリットがあります。
女性性機能障害の改善
日本理学療法士協会の研究では、骨盤底トレーニングを実施した結果、以下の6つの改善がみられました。
性欲、性的興奮、腟潤滑、オルガズム、性的満足、性的疼痛
研究後のポジティブな推察について引用します。
- 骨盤底筋群の筋力および随意的コントロールが向上したことで筋弛緩効果をもたらし,性交痛の改善に繋がったと推察された。
- 骨盤底トレーニングのみならず,問診での十分なカウンセリング,生活習慣の見直しや,自宅での系統的脱感作療法の指導などが性に対する恐怖の脱感作を導き,良好な結果に繋がったと考えられる。
女性の性機能障害は、メンタルヘルスによるものも大きいです。骨盤底筋のトレーニングとあわせて心のケアも実施することで、性に対する苦痛をやわらげることができます。
オーガズムの改善
骨盤底筋は、オーガズムの際によく収縮します。骨盤底が強い人は、骨盤の部分に多くの血液が送られるため、筋肉の収縮回数が高まります。
「骨盤底筋力と性機能の関連」を研究した論文では、骨盤底エクササイズ後にオーガズムを報告した女性は、筋肉の収縮時間が長かったとされています。
また、骨盤底筋を鍛えることで、膣の前部がより緊張しやすくなります。これにより、性交時のペニスとの接触が改善され、女性のオーガズムが高まります。
性的自己効力感の向上
多くの女性は、産後数年経って骨盤痛や尿失禁が治らず、性生活に前向きではなくなります。骨盤底筋トレーニングは、そんな女性の気分を高めてくれます。
PubMedの出産後の初産婦を対象にした研究では、骨盤底筋トレーニングが女性の性的自己効力感を高めることがわかりました。
骨盤底筋エクササイズをすると、オーガズムの持続時間や強度があがります。セックスの満足度が高まるため、性的な自己効力感の向上へとつながります。
骨盤臓器脱の改善
骨盤臓器脱は子宮、膀胱、直腸の1つ以上が膣や肛門に落ちてくる症状です。臓器を支える骨盤底の筋肉や組織が弱くなるとなります。
イェール大学医学部によると、18歳以上の女性の4人に1人が、骨盤臓器脱を含む骨盤底障害に苦しんでいるといいます。
PubMedに、骨盤臓器脱症の女性を対象にした比較研究があります。平均年齢45歳、ステージ1と2の女性が対象です。
8週間の骨盤底筋のエクササイズを実施したところ、両方の治療法が筋力を増加させ、骨盤臓器の脱出レベルを低下させることがわかりました。
骨盤臓器脱は、産後の35%以上がなるとされています。日ごろから、骨盤底筋を鍛えておくことで、産後の脱出レベルをおさえることができます。
便秘改善
Healthlineによると、骨盤底筋を鍛えることで、筋肉の強さが増し、便をより簡単に押し出すことができるとされています。骨盤底筋運動は、直腸を支える括約筋を強化し、リラックスさせる効果があります。
尿漏れの改善
尿のコントロールは、膀胱頸部(ぼうこうけいぶ)と括約筋がおこなっています。膀胱頸部は、尿を膀胱にためるときはしめ付け、出すときはゆるめます。
骨盤底筋の強化運動を毎日4ヶ月間行った研究では、骨盤底筋が自発的に膀胱頸部を押し上げる能力を大幅に改善できることがわかっています。
姿勢とバランスの改善
骨盤底筋が強くしっかりしていると、姿勢とバランスが改善します。転倒や怪我の防止にも役立ちます。
逆に姿勢が悪いと骨盤の痛みにつながります。どちらも親子関係です。
骨盤底筋のトレーニングでバランス力がアップします。姿勢改善で骨盤の痛みを改善できます。
2つとも意識すれば、最高に美しい姿勢をつくることができます。
骨盤底筋を鍛えたい方はこちら
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【女性】骨盤底筋を鍛えるおすすめエクササイズ6選
骨盤底筋を効果的に鍛えたい女性向けにおすすめのエクササイズをまとめました。 目次1 1.ケーゲル体操2 2.ウォーキング3 3.ヨガ4 4.ピラティス5 5.バランスボール6 6.トランポリン7 注意 ...
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