「ちゃんとしなきゃ」って思っていたはずなのに、なぜかいつも誰かを傷つけてしまう──。
あなたがいま、罪悪感と後悔の間でうつむいているなら、きっとその優しさは本物です。
でも、本物の優しさは“行動”を伴います。 そうじゃなきゃ、ただの逃げ道です。
目次
決断ができないことは、やさしさではない
どちらかを選ぶのがつらいのは、わかります。
選ばなかったほうに対して、申し訳なさもあるし、未練もある。
「誰も傷つけたくない」なんて思っていたはずなのに、気づけば一番大切だった人の心を壊していた。
でもそれって、ほんとうに「迷っていた」だけですか?
いいえ、違います。
あなたは“自分の心を守るために”決断から逃げていた。
そして、その先延ばしの間に、相手の時間と気持ちを、確実に削っていたんです。
「決めない人」が抱える心理の深層にあるもの
臨床心理学者・スーザン・フォワード博士は、著書『Toxic Parents』の中でこう言っています。
「自分で選ばない人間は、傷つく責任から逃げようとする。それは、結果のすべてを“他人のせい”にできるからである。」
つまり、あなたが「今の彼女も素敵だけど、もう一人の彼女も捨てがたい」と悩んでいる裏には、“誰にも嫌われたくない”という本音がある。
それってつまり、「自分が悪者になりたくない」だけじゃないですか?
言い訳は、もう通用しない
あなたの心の中で、こういう声がしていませんか?
「ちゃんと考えてたんだよ」
「どっちが本当に好きか、見極めたかっただけ」
「タイミングが悪かったんだ」
でもそれは、考えていた“フリ”をして、自分が傷つかない道だけを選んでいた結果です。
そして、相手はその間ずっと、期待して、信じて、あなたの答えを待っていた。
何も言わないことで、どうにかなると思っていた?
だとしたら、あなたがやったのは“誠実なフリをした裏切り”です。
このまま逃げ続けた未来にある“静かな崩壊”
想像してください。
あなたが「とりあえず今の彼女でいく」と決めた、その半年後。
最初はうまくいくかもしれない。
でもふとした時に、頭に浮かぶんです。
あのとき断ったもう一人の彼女のことが。
「やっぱりあの人の方がよかったのかも」
「このまま結婚して大丈夫なのかな」
そして、次第に今の彼女にも、無意識に“減点”をつけ始める。
「もっとこういう人だったら」
「なんでこんな言い方するんだろう」
──でも、それってあなたの責任です。
決断から逃げ、誠実なフリをし、選んだ相手を疑うことでしか安心できなくなっていく。
最終的に、すべてが壊れたあとに残るのは、「誰のことも信じられない自分」と「どこにも戻れない孤独」だけです。
決断とは“痛みを引き受ける勇気”
心理学者ヴィクトール・フランクルはこう言いました。
「人間の自由とは、与えられた状況の中で、態度を選ぶ力である。」
選ぶとは、「誰かを選ぶこと」ではありません。
**「選ばなかった人の痛みまで、自分の責任として引き受けること」**です。
だからこそ、怖いし、苦しいし、できれば避けたい。
でも、避け続けてきたあなたが、これまで得たものは何でしたか?
迷ったまま付き合い、迷ったまま別れ、
誰の心も信頼も手に入らずに、また一人で悩んで、後悔して。
もう一度そのループに戻りますか?
それでもまだ、迷うあなたへ
「でも本当にこっちでよかったのかな…」
「あの子を傷つけたこと、まだ引きずってるんだよね…」
──それで、何もしないんですか?
その後悔を、「また決断できない理由」に使いますか?
違います。
その後悔を“自分を変えるための痛み”として使ってください。
失敗したからこそ、今度は間違えない。
傷つけたからこそ、次はちゃんと向き合う。
それが、本当の意味で“やさしい男”の姿です。
まとめ
優柔不断で誰かを傷つけた過去は、消せません。
でも、その経験があなたを変える「出発点」にはできます。
正しい選択なんて、初めから存在しない。
あるのは、「選んだ先で、どう生きるか」だけ。
あなたの選択は、誰かの人生を変えます。
同時に、それはあなた自身をも変える力を持っています。
「決めることが怖い」のではなく、
「誰かの心を背負うことが怖い」──
でもそれを背負える強さを、あなたはもう持っているはずです。